アメリカ長期金利、10年債が2014年来の2.96%へと上昇した。
2月高値2.95%をわずかだが更新した。
いよいよ、3%へ向けて動き出すかもしれない。
株メンターがかねてから指摘している通り、
アメリカ10年債が「世界の金融の体温計」だ。
これだけは絶対に忘れてはいけない。
必ず、覚えていて欲しい。
世界の金融の中心、アメリカの金利
の上昇は何を意味するか。
資産運用、金融、株式投資、等、
マネーに関心ある人は
この意味を必ず、知る必要がある。
アメリカの金利の上昇で気を付ける点は以下2点。
①アメリカ株安、そして世界株安を招く。
業績が好調でも株価が下がる。逆金融相場が来る。
金融市場では、金利が資金の流れを支配する。
金利選好の考え方だ。
金利が上がれば、資金は株から債券へと流れる。
金融市場における、最重要原則だ。
ファンダメンタルズが良好で企業業績が好調でも、
株式市場から資金が抜けるので、株は下がる。
株価急落となれば、リスクオフでドル安にもなる。
②新興国から資金を引き揚げる動きが加速する。
世界の基軸通貨ドル でファイナンスされてきた
リスクマネーがハイリスクな投資先から本国
アメリカに引揚げられる。
例えば、新興国、なかでも信用力の相対的に低い国、
そして特に経常赤字の国からの資金引揚げの動きは
顕著となる。極端な場合、それらの国々は資金調達力
を失い金融危機的状況となる。
信用力に乏しい国々が過去何度も辿ってきた歴史だ。
今回のアメリカ長期金利の上昇は、腰が強い。
低金利を長く続けてきたため、ファンダメンタルズ
好調で元々インフレ圧力が強い所に、トランプが
強烈な財政出動で、国債需給の今後の悪化を決定づけた。
債券の需給悪というテクニカルな要因で、
長期金利にさらに強い上昇圧力が今後掛かるのだ。
アメリカ株式市場は、既にその懸念を表し始めている
かもしれない。
北朝鮮、貿易問題、地政学リスク、と突発リスクを
いくつも超えて、安定を取り戻したかに見える
米国株式市場だが、リスクが後退したため、
アメリカ景気の好調な実態がクローズアップされ、
金利上昇圧力が掛かり、株が下落するという
皮肉な構図が見て取れる。
アメリカ10年債、3%超えがあるか、
を 株メンターは最も注目している。