ここ5年10年で、新たに強く惹かれるように
なったものがあります。
それまでは、むしろ嫌いだった世界。それは、・・・
デザイン、絵画、建築、文化への理解。
絵は苦手で、観るのも好きでなく、学生の時は図工は苦手科目でした。
今は、週末には美術館に行きたくて、昨年などは本当に毎週のように
行っていました。なぜか無性に観に行きたくなる。
今も行きたい欲求を抑えている感じです。
なぜなのかな、と思っていたのですが、
思い当たるフシ、最近発見しました。
金融の世界は、ある意味「欲求」の支配する世界です。
マーケットの世界は特にそれが顕著です。
30年、この世界に居て、自分がその中で自身と周囲の強欲に埋もれて
精神が歪んでいないか、常に気になっています。
下品になっていないか、モラルが低下していないか。
カネの亡者に成り下がっていないか・・・。
マーケットに常に携わるので、精神の歪みが気になるのです。
芸術、人文学は、
「課題を解決するのに必要な見識」だそうです。
人文学=哲学、宗教、歴史、文学、文化
欲求に任せて金融の仕組みで儲けを狙うだけの
世界にどっぷり浸かっていては、カネの亡者になるだけです。
人文学、芸術が、マーケットの世界で欠如しがちな
『倫理観』: 是非・善悪の原理原則
を形成するのに、不可欠なのだと思います。
だから、私も無意識に、精神のバランスを
取りたくなるのかもしれないな、と。
マーケットを生きる人間は、一方で、
倫理観も問われるべきです。
欲求の暴走、がバブルを生みます。
マーケットの歴史は、常にバブルの生成と崩壊の繰り返し。
人間の欲求が無くならず、欲求の質の進化など
全く起こらないからです。
欲求をコントロールする倫理観を備えることは、
健全な投資をするにも大切なことだと思います。
足るを知らないから、過剰にリスクを取り、失敗する。
節度を持ったリスクの取り方で投資をしないから、
大敗する。
精神のバランス、必要なのだと思います。
美術館、また行こうかな。
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