· 

Jリート、下値の目安

 

本日はJリート市場の下値について。

 

Jリートのバリュエーション指標で大切な2つの指標、ご存知ですか。

 

●1つは配当利回り。市場平均で今約4%。利益面から評価した指標。

●もう一つは純資産倍率。今1.1倍。資産面から評価した指標。

  NAV倍率とも言います。(純資産=NAV[Net Asset Value])

  一口当たりの時価純資産に対する投資口価格の倍率。

  株式でいう、PBR(株価純資産倍率)に相当するものです。

 

不動産価格が大きく下落する厳しい市況ならNAV倍率は1.0倍を下回ることも

ありますが、現在は市況が下落しているわけではありません。

不動産売買市場において物件価格に割安感は無く相場はピーク付近と

思いますが、リートの業績も安定的な中で1.1倍ならば、割高感はありません。

 

昨年秋、この倍率が、実はちょうど1.0倍の所で下げ止まりました。

投資からの売りが嵩み、どこまで下げるかと気を揉んでいましたが、

やはり、NAV倍率で1倍以下、純資産の価格以下まで投資口を売り込む

ことはありませんでした。東証REIT指数1600ptの水準です。

 

ここが、つまりNAV倍率1.0倍のレベルが、1つの重要な下値の目安

だと思います。

 

ここで下げ止まりの傾向が見え、下値を拾う投資家が増えて、その後

徐々に緩やかな回復基調となっています。

 

金融市場の混乱があれば、Jリート市場も影響は受けるでしょうが、

リート各社の業績が安定的で不動産価格の急落等が起きなければ、

重要な目安となります。

 

覚えておいて下さい。

 

なお、JリートのNAV倍率は10年以上の長期間で観察すると、

リーマンショックの急落時を除き0.8倍~1.6倍で推移してきました。

 

不動産価格上昇への期待が高まると、倍率が上昇しますが、一方で

厳しい状況になり下落しても、せいぜい1.0倍を0.2倍下回る程度まで、

が通常のケースだということです。

 

市況が悪化していないのにNAV1.1倍、4%の利回り、がナイスバリューで

あることが分かってもらえると思います。

 

厳しい局面が来た時、下値の目安として、0.8倍、も覚えておいて下さい。

 

今日も、いい話、したなあ(笑)

 

株メンターでした。