先日の議会証言で、やや最近タカ派と評されるFRBパウエル議長が、
貿易戦争の影響を気にし始めた。
しかし、基本的に利上げは続くのではないか。
私は、元々慎重でハト派とされる議長が最近タカ派に変化したのではなく、
議長が利上げ継続に対する重要な根拠を持っているからだと思う。
それはトランプの減税・歳出拡大のことだ。
特に大型減税については、今後2~3年に亘り民間需要を押し上げる
との認識を議長は当初から持っている。
珍しく数年先までの見通しを一部公表しているのだ。
需要押し上げ効果が明確で確実に継続するとの認識なのだと思う。
元々堅調な米経済が、この強力な政策によってさらに中期的に加速・過熱する懸念があり、
貿易問題や新興国の懸念他、外部環境等が多少どうであれ、足元で利上げを止める
理由には乏しい、ということではないか。
市場は、前回利上げの前には読み間違えた。
今年の利上げ回数(見通し)は計4回だ。一時3回説が支配的になった。
議長の認識を市場は正しく理解していなかった。
今後はやはり、物価・賃金への影響が懸念される。
足元顕在化していないが、パウエル議長同様、我々も注視すべきだと思う。