Jリートで物件の入替、つまり不動産の売りと買いを
同時にすること、が最近多いとの指摘(2018.8.25日経)だが、
記事に無い示唆を以下2点、指摘する。
- Jリート各社の経営の質の向上
- 不動産価格、ピーク!
私がFM時代、各社とのミーティングで、リート各社に再三お願いしていたのは、
「絶対高過ぎる買い物(不動産)だけは避けて欲しい」ということ。
割高に買うと、後に含み損を抱え重大な経営問題になるからだ。
今、市況の高騰で、割高に買った物件にも売りチャンスが到来している。
Jリートにとり、売りたい物件も売却損を出してまでは売りたくない。
この好機に物件ポートフォリオのガンを取り除き、
質の高い物を代わりに買い、売りで賃料収入が下がらないように
買いも同時に行うのだ。それが物件入替。
以前の市況高騰のタイミングでは、”もっと上がるから”と
買いばかりに夢中になるリートが散見されたのだが、今回は
リート各社の対応が冷静で、とてもガバナンスが効いた経営判断
に見える。
リート各社の経営の質が改善していると感じる。
口うるさく、個別ミーティングの度に社長に「割高な買い物だけは・・」
と言ってきたことを、少なからず経営陣に受け止めて頂いている印象だ。
市場が入替を評価し上がるのも頷ける。
ただ多少やり過ぎの銘柄もあるようだが・・。
もう一点、重要な示唆は、不動産市況がピークだ、ということ。
先ほども言ったが、売りの大チャンスとリート各社が判断して
いるから、入替が多くなるのだ。
リートは通常、物件の売りだけを行うのを嫌う。
経営者は僅かでも増収増益を目指す。だから
売った物件の収入が減るだけでは、売上が減少し決算で見栄えが悪い。
だから代わりに買い物件も手当てすることが多い。
Jリート経営では、入替はまず売りありき、が原則だ。
損を出さずに売れるから、買い物件も手当てしよう、となる。
不動産価格は過去最高、あるいはそれを超える値段まで上昇が
進んでいる、ということが、入替ラッシュから読み取れる。
増資に伴う物件取得もJリートで最近多いが、割高な物件を
つかんでないかと心配だ。