私募投信(機関投資家向け投信)、ご存知だろうか。
特定の少数大口顧客の資金を集めその顧客意向に沿って運用。
儲け先に乏しい地銀他が顧客となり、積極購入しているという。
リートの世界も、実はこれも多い。私募リート投信だ。
ちなみに私がFMをしていたのは、主に公募リート投信。
広く一般から資金を集めるタイプの投信。
しかし、一部を特定の顧客のために運用する、私募の勘定もあった。
地銀が私募リートに走るのには理由がある。
4%近いインカムは利益として計上できる一方で、評価損益を
決算で計上する必要がない。
リート指数が下落しても、決算で損を出さずに済む。
地銀が株などを保有すると、いつも評価損を気にするあまり
効率的な運用が妨げられる。損切りルール(▲20%などと聞くが・・)
を超えると、自動的に売却する、等のことが行われているやに聞く。
恐らく、決算の調整にも私募投信は使われていると想像する。
近年設定が急増している私募投信だが、将来、不動産市況が
下落した後 私募投信の満期・解約が集中したら、設定した側、
つまり不動産会社などは、本当に資金需要に応じられるのだろうか。
不動産の価格が下落したら、満期対応の資金ねん出は非常に困難になる。
不動産会社に対する銀行の融資態度も硬化する。貸さなくなる。
安易な私募投信設定は、将来の禍根の元になり得る。
この動きに対する金融庁の懸念は、ごもっとも、だ。
稼ぎ先に乏しい地銀の苦肉の策が、将来の傷口を広げることに
ならねば良いが。
株メンターが各地の地銀をまわり、株・Jリート運用の
アドバイスでもしますか、ね(笑)