長期間上昇を続けてきた不動産売買市況は、下落への転換期を迎えた。
上昇が下落に基調転換する際の、唯一絶対の目印とは、
「銀行の不動産融資姿勢」だ。
”融資を本格的に絞り始める”、”融資残高が減少に転じる”、
これが不動産売買市況の転換を示す最も重要な合図。
2007年、不動産貸付の総量規制(窓口規制)が実施されたとされ、
これが市況転換、下落への契機となった。
1990年も、総量規制の実施がバブル崩壊へとつながった。
2013年来今まで増加基調を続けてきた不動産新規融資は、
2017年に前年比減少に転じ、2018年上期(1~6月)も
前年比減少が継続している。
加えて足元、スルガ銀行の事件を契機に、金融庁が地銀等を対象に
投資用不動産向け融資の実態調査に乗り出したとの報道もあった。
運用難から、不動産向けに傾斜していた地銀等の融資姿勢が、
今後抑制的になるのは明らかだ。
黄色信号は赤信号に変わりつつある。
Jリート各社にとっては、PO、IPOをする時期ではない。
割高な取得価格は、文字通り会社の致命傷になる。
買える物件のあるリートは、是非同時に物件売却も進めて欲しい。
物件入替、出来るリートにとっては絶好機。