株メンターが、5~10年の長期の投資先で日本株を
最も勧める最大の理由は、損益分岐点比率の低下だ。
日本企業の収益力は、実は厳しいデフレ経済下にも
拘わらず、この20年で逆に劇的に改善した。
今回の農中総研の調査では70%以下まで低下(画)。
政府の今年の法人企業統計では62%程度まで低下している。
損益分岐点比率とは、利益の出るギリギリの売上の水準。
ブレイクイーブンポイントだ。
ラフに言えば、70%とは、今より3割売上が減っても
利益が出る、という意味。
損益分岐点比率は1990年代は90%付近が普通だった。
これが90⇒70%に低下するということは、
現在の売上を100%とすれば、利益が10⇒30%分、
3倍多く残るということ。
この理由を私は
「デフレを最も警戒したのは、国でもなく個人でもなく
企業だったから」 と理解している。
企業の3大固定費は、人件費、設備費(償却費)、利子、だ。
企業は、デフレ経済下、給料を与えず、需要が無いので
投資も控えた。金利も低下した。
ここ20年で日本企業は、デフレ超警戒モードにより、
劇的なコスト削減を果たしたのだ。
デフレだから生まれ変われた、と言えるかもしれない。
これはすなわち、売上が少しでも好調ならば、
利益が大きく伸びる体質に変わったことを示す。
2017、2018と企業業績が妙に好調で増益率が高いのは、
これが主な理由だと株メンターは見ている。
例えば少しの円安でも増益率がすぐ高まる、等だ。
足元日本株は、本格上昇を始めたかと思いきや、
米金利上昇により世界の株価同様、上値を
押さえられそうだ。
しかし、この劇的な収益力改善は、いずれ株価を大きく
押し上げる原動力になる。
日本株は、米金利や為替など外部環境さえ落ち着いていれば、
大きく上昇できるポテンシャルを備えている。