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想定外に好調な賃貸オフィス市況

米株は、悪材料が出ていないのに上がれない。

金利が足元上がらないのに、上がれない。

今後の米決算発表では、足元の好調より先行きの

好調持続の是非に焦点が当たるだろう。

まだ、警戒を怠れない。

 

 

さて、オフィス市況について。

だれがここまで、を予想したか。

あの2007年の不動産ミニバブルと言われた時を上回る

都心オフィス市況の改善がみられるとは。

専門家は皆、この好調を読み間違えた。

 

三鬼商事の空室率、前回好況時の2007年11月2.49%を

下回って2.33%まで低下した。(9月データ)

2.5%付近を下回る好調は、やや想定外だ。

2%台半ばの空室率は、もう限界に近いと思うのだが、さらに

どこまで下がるのか、物理的に下がることが可能なのか?

渋谷区は1%、新宿もあれだけオフィスがあるのに1.4%だ。

これ以上の大幅改善は見込みづらい。

 

一方賃料の水準は、2007年当時よりも約1割低い。

2008年8月が前回ピークで22901円、2018年9月は20438円。

上昇のペースは2018年に入り加速し、以前の年率4-5%

足元は約+7%の勢いだ。

しかし、上昇の勢いが強烈、とは言い難い。

 

背景は、企業業績の好調と、人手不足、建築費の高騰だ。

企業は人材確保のため、優良立地のオフィスへの

立地改善意欲が強い。また働き方改革で高齢者、女性の

雇用数が増えている。床が必要なのだ。

また、人件費・資材費の高騰で、中小ビルでは採算が合わず

ゼネコンが建てない。高い賃料の取れる都心大型優良立地

オフィスしか建たない状況だ。

 

この状況では、2020年のオフィス大量供給も吸収してしまうかも

知れない。人手不足、建築費の高騰は短期で終わらない

構造的要因だからだ。賃料上昇のペースが年10%、20%と

加速していないこともある。

空室の減少は限界に近くその意味では市況はピークだが、

すぐには悪化しないのではないか。

 

ただ、市況改善の最も重要な要因は、企業業績の好調だ。

どこまで続くか。貿易摩擦、円高懸念等の外部要因に

左右されることになりそうだ。