· 

世界長期見通し 3 中国

数日空いてしまいましたが、世界の5~10年の株式見通し、3日目。

長期的に厳しい他国、2回目の欧に続き、今日は中国について。

 

中国:

ブログで以前書いたが、習近平政権は、高成長を

諦めているとみられる。投資偏重のバブル(供給力過剰)

の歪みが、耐えられない所まで蓄積してしまい、

その是正を優先せざるを得ないということだ。

日本で例えれば、今の中国は1970年代の高度成長が

終了した時点に相当する。

 

今後は投資主導の外需経済から、消費主導の内需経済

移行せざるを得ない。

しかし、中国はまだ国民の所得水準が全体的に向上

していない。土地が広すぎて、人口が多過ぎて。

所得水準が十分に豊かになる前に消費主導型に

シフトするのは無理があり、この矛盾が、今後

社会問題として国内で噴出するかもしれない。

 

日本でも70年代の構造転換には10年程度を要したと

思うが、中国ではこの転換は可能なのか。

農村から工場に出稼ぎに来ていた労働者は職を失い

農村に戻るしかなく、再び貧困を強いられるのでは。

 

まずは投資バブルの崩壊、さらに続いて雇用不安等から、

一党独裁に対し社会変革の波が押し寄せるかもしがれない。

 

さらに加えて、先出の仏人口学者トッド氏によると、

深刻な人口流出があるという。海外で学んだ優秀な中国人

ほど母国を捨てて出国する。

つまり所得水準・能力の相対的に低い人が国内に残る。

社会の底辺に不満が蓄積しやすいのだ。

 

隣国日本は、内憂外患(外患とはトランプ)の中国から、

今後は一転、協力を求められることが多くなるかもしれない。