株式市場を支えたいはずの
トランプ大統領とFRBパウエル議長。
が、逆に2人が株式市場を壊している。
トランプが議長に忖度させ利上げを
やめさせようとし、それを受けて
議長が政策決定プロセスを見直す
(トランプに従う)と宣言すると、
市場はそれを
「利上げできない=景気減速」と
受けとめ、大量に売っていた米10年債の
買い戻しに債券投資家を動かした。
2年債と5年債との利回りは逆転し、
2年債と10年債との差も僅少になった(画)。
過去の経験則からこの逆転は景気後退を
示唆することが多い。目先は利上げしても
景気が先行き悪化すると見ると、より長期の
金利が低下し逆転が生じやすい。
市場参加者はこの過去のパターンに肝を冷やした、
という形だ。
今後業績は鈍化するものの、景気後退
(=マイナス成長)までは見る必要はないと
思っていたが、利回り逆転はマイナス成長を
連想させる事象だ。投資家のマインドを
大きく冷やすことになった。
マインドの悪化が、まだピークアウトした
だけの景気の足を大きく引っ張り景気後退を
招いてしまうかもしれない。
マインドの景気に与える影響は大きい。
トランプが反省すべきは、
「何でも自分の思い通りになる、誰でも
言うことを聞く」と思っていることだ。
”聞かない人はクビにして何でも思い通りに
進める”つもりなのだろうが、彼が最も
大切にする株式市場は、パウエルを従わせた
ことで逆に今後思う通りに行かなくなりそうだ。
株価を下げる利上げ、を止めさせたことが、
逆に株を下げる、なんとも皮肉だ。
彼は反省しないので、最後は必ず思い通りに
ゆかなくなる。
株を売買させたら、間違いなく破産するタイプだ。