先週末、NYダウ▲$500以上の下げ、米10年債は
2.85%まで下げた。
注目の雇用統計は若干弱めだが悪くは無く、双方の
下げは貿易摩擦再燃への懸念だけが理由のようだ。
金利は寄りは低下していなかったが、株価の下げに
連れて下げた。
株価の下げが止まれば、10年債も少し戻りそうだ。
それにしても、市場は大きく変化した。
経済指標が悪くないのに、金利は上がらなくなった。
恐らく、金利上昇を見込み債券を売っていた投資家が
パウエル発言を機に買い戻しを続けていると思われる。
また、株価がファーウェイの件など弱い材料に打たれ
やすくなり、株式市場から債券市場への資金シフトも
債券買い=金利低下に拍車を掛けているのだろう。
来週18日からのFOMCで利上げ発表と共に、
パウエル議長は何を言うだろうか。
トランプへの忖度もあり利上げ打ち止めを匂わせたが、
自身のその発言が株式市場への投資マインドや景気
マインド全般を冷やしたことを後悔しているだろうか。
後悔していたとしても、来年利上げをどんどん進める、
とは、もう言えないのだろう。
ここで彼が、来年は利上げできないと明言すれば、
株式市場は景況を悲観し調整するだろう。
議長を従わせたトランプには、打つ手が無くなった。
結局、金利を上げても下げても株価が下がる状態
になってしまったのだ。
急落直前等には、金融環境がこのような隘路に
追い込まれた状態になったりするものだ。
”自身の分析力による政策への強固な意思”を持たない
とも思われる元弁護士パウエル氏には、FRB議長
という重責は荷が重いのではないか。
これも、FRB議長選出ミス、というトランプの失政だ。
いよいよ、本格的なトランプ危機の時代に入る。
トランプラリーと言われていた時期が、早懐かしい。