8日発表のサムスン電子第4四半期決算、興味深い。
当社は半導体、携帯電話・スマホ両業界で
日本企業を駆逐した、世界の雄だ。
その世界の雄に大きな変調が見られる。
本業利益を示す営業利益、四半期決算のグラフだ。
足元10-12月期で、ついに前年比29%の大幅減益に転落した。
しかも棒グラフでわかるように、盛り上がった前期から急減した。
半導体もスマホも不調とのことだが、昨年10~12月に
突如急激に半導体市況とスマホ販売が急減速したのだろうか?
半導体とスマホの需要そのものが急減したのか?
私は、必ずしもそうではない、と考える。
末端の需要も減速しただろうが、より急変化したのは、
経営者の心理だ。
先行きに対し在庫を積み増す方針だった需要先の企業経営者達が、
一転して急に様子見を決め込んだためであろうとみている。
貿易摩擦等のリスクを懸念して、であろう。
両業界は、変化のスピードが速い。経営変化の早さが勝敗を分ける。
減速が始まると、すぐに止めるのは容易ではない。
サムスン電子は今年、一転してコスト削減を重視し工場の
ライン変更等も行うそうだ。
再三指摘するように、トランプ貿易摩擦の、マインドへの悪影響は
こうして実体経済、企業業績にも拡がることになる。
そしてサムスン電子のような世界的企業の決算内容自体が、
さらに景況マインドに影響してゆく。