AI(人工知能)の投資の世界への本格参入で、今後
人間は金融マーケットで儲けられなくなるのだろうか?
相場で人間の出番は無くなる?
いや、決して、そんなことはないはずだ。
経済活動、そして金融市場に人間が参加している限り、
それはない。
金融市場は投資家の気持ち、心理で動く。
市場心理は、好不調を繰り返す景気の波を受けて動く。
そして景気の波もマインド、つまり人の心理が作るものだ。
マインドに左右される人間が、経済活動に参加し、人間の
心理の反映でマーケットが動くことに変わりがなければ、
人間にとって資産運用の収益機会は無くならないと思う。
市場心理の変化を捉える力を身に付ければ、人間、AIを
問わず、誰にでも収益機会はあるはずだ。
AIはアルゴリズム取引、つまり過去の相場のパターン認識
から判断することが目下多いようだ。
パターン認識の精度が上がれば儲ける確率は上がるのだろう。
しかし、市場は似たような動きはするが、全く同じパターンで
動くことはない。どこまで確率を上げることが出来るか、
AIがどこまで人間の心理の変化を読み解くか、見ものだ。
仮にAIの方が人間より相場が上手になったとしても、
人間にとって、投資で儲ける機会が無くなることはない。
ただ、AI台頭の影響で1つ明らかなのは、市場の変動が確実に
大きくなる、ということだ。
今、既に起きているわけだが、今後さらに激しくなるであろう。
AIによるパターン認識は、似たようなタイミングで売買判断を
下すはずで、多くのAIファンドの売買は、AIの精度が上がる
ほど、似てくるはずだからだ。
一瞬で大量の資金が動く傾向が、さらに強まることは、確実だ。
今月2日にも、10分間でドル円が4円も動く異常事態が起きたが、
このような値動きは、今後も十分想定され得るだろう。
AI運用の台頭と世界的カネ余りは、今後さらに、金融市場に
”恐ろしい ボラティリティ”をもたらすことになろう。