新聞記事には、出来事と意見が書いてある。
事実の伝達に加えて、
記者の意見、新聞社の意見、新聞関係者以外の
執筆者の意見(インタビュー)等も掲載される。
事実に対する評価、そしてそれを踏まえた今後の
見方、なども書かれる。
これらの意見は、当てにしてよいか分からない
ものも多い。
記者や新聞社のコメント、出来事に対する評価は、
さも妥当性が高いような言い回しで書かれている
ことも多いが、事実に対し常に全て正しい評価を
しているとは限らない。そもそも何を持って正しい
とするか、について微妙な事柄も多い。
Jリートの市況解説などをみていても、現場の
人間からすると、明らかに事実と異なる内容も
ないことはなかった。
マーケットに対するコメントなどは、実際問題、
ちゃんとした上げ下げの理由が分からない
ことも多く、ある程度推測で書かざるを
得ない場合も多いはずだ。そこは記者にも同情する。
そんな中、私が注意して大切に読む記事、それは
経営者インタビューだ。
それも、主力事業の見方、業界の見通し、などだ。
当人の専門外の分野のコメントは、読み物として
楽しいかもしれないが、当てになるものではない。
典型例は、日経新聞1月16日のオリックス井上社長の
インタビュー記事。
題名は、「不動産、3年内に調整局面」
同社は中小企業金融のスペシャリスト企業だが、
他にもファンド事業、不動産、M&A、他、
リスクを取る金融ビジネスに明るい稀有な企業だ。
銀行と似て非なる社風があり、同社トップの市況
見通しは、傾聴に値すると個人的に高く評価している。
井上社長は”不動産はクラッシュは来ないと思うが、
調整局面は1~3年内に必ず来る” とコメントしている。
市況の見通し以外も非常に示唆に富んだ内容だ。
敢えてここではさらなる詳細を記載しない。
上記題名で検索して、ご覧になるとよいと思う。
情報は、目の前にある。取捨選択する能力、の時代。
こういう記事は、読み逃してはならない。