· 

策士、トランプ

ベトナムでの米朝トップ会談を見ていて、

面白いなと思った。

 

トランプは初日、終始、笑顔で楽しそうにしていた。

はしゃいでいる場面が報道された。

金正恩もそれに呼応するよう、上機嫌だった。

 

外交点数稼ぎのため、安易な妥協合意かと思わせたが、

物別れ後の会見ではポンペオ国務長官と臨んだ。

トランプは彼の意見、助言をキチンと受けて

トップ会談をしていたとの印象を私は持った。

 

きちんとアメリカの立場、そして日本や韓国との関係を

踏まえ、単独暴走はしていなかったと感じた。

 

トランプは、ディール(交渉事)では、事前に自分の本心や

大事にするポイントは見せないようにする、と言っている。

 

あえてはしゃいで見せ、金正恩を油断させて、どこまで要求

してくるか、試したのではないか。

 

北朝鮮は、米との直接対話の関係が無くなることを最も恐れる。

トランプは、一度袖にすれば、より真剣な交渉ができ、

そして本心が明確になると見たのかもしれない。

(核開発を止めていないし、今後も止める気はない、など)

 

トランプが言う通り、米は、全く急ぐ必要はない。

一方、北朝鮮は一刻も早く制裁を解除してほしい。

 

今回の合意見送りは、米のクレバーな判断だと思った。

 

また、彼の記者会見を私は生で初めて見たが、言葉は明晰で

失言も無く、相当に頭がいいな、との印象を受けた。

バッシングされる米メディアを相手にする時とは大違い(笑)!

 

日本にとっては、当然トランプの安易な妥協が

なかったことはプラスだ。

 

北朝鮮、そして韓国は動揺するだろう。

どう、米にすり寄るか。

トランプは、それを待っている。

自分のペースに巻き込むべく。

 

北が一転、暴走されたりすると困るが・・・。

 

トランプは外交で、即点数稼ぎをしたかったとは思うが、

この物別れは米にとりプラスとなったかもかもしれない。

安易な妥協にはくぎを刺すとのトランプ支持者も多かったのだろう。

 

ただ、次回の予定を決めずに別れたという。

意外に深刻な別れ方をしたのではないかということは少々気になる。

これもトランプの作戦、なのか。