5日から、中国で全人代(年1の国会)が開幕する。
中国のGDP成長率は、昨年は6.6%の成長率だが、
共産党の掲げる目標値は
2017年に6.5~7%→6.5%前後と下げたのを、
さらに今回は6.5%前後→6~6.5%程度に
引下げる見通し、との報道がされている。(日経)
以前当コラム
「2019年02月19日 - 中国は成長を目指していない」
で指摘した通りだ。
今後の景気対策も、成長加速が目標ではなく、
減速を食い止めるのが主な目的だと考える。
中国株の足元の上昇は、米中貿易交渉の進展観測と、
中国当局の金融緩和のさらなる推進が背景だ。
いわゆる金融相場だ。
中国の成長率は長期的には今後さらに下方シフトしてゆく。
今までの設備・不動産への異常な傾斜による過剰投資を
今後は圧縮せねばならない。これが全人代で真っ先に掲げる
構造改革だ。
だから、経済の急減速を避けるべく、減税・公共投資の
景気対策で埋め合わせる必要がある。
つまり、中長期で考えれば、中国経済は
*資産圧縮、需要減退による、強烈なデフレ圧力
*財政、外貨準備の赤字化
が避けられそうにない。
さらに、今後急激に高齢化が進むことが
人口動態から明らかだ。
中国は、長期的には先進国病を患う方向に向かっている。
世界の成長センターのこの大転換は、規模が大きいだけに
日本経済、いや世界全体に長いスパンで大きな影響を及ぼす。