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中国の本当のGDP成長率は1.67%?!

この話、ご存知だろうか。

 

中国のマクロ経済学者が、中国の2018年の

GDP成長率は+1.67%、と言ったのだ。

当コラムで紹介した通り、公式発表では+6.6%だ。

 

発言の主は、中国人民大学国際通貨研究所理事兼副所長の

向松祚(コウ ショウソ)氏だ。(写真)

(報道は昨年12月)

また同氏は「別の試算方法では、同年のGDPが

マイナス成長であることが分かった」とも

発言したとのこと。

 

お恥ずかしい話だが、私はこの人物を知らない。

 

ただ、日経新聞はこの発言を受けて、彼への直接取材&

ロングインタビュー記事を掲載している。(電子版3月4日付)

ひとかどの人物ではないかと思われる。

発言がやや派手で怪しい嫌いもあるが、自分の見方を

率直に吐露している印象だ。

 

個人的には、同氏の意見に同感だ。

中国は本当は、景気対策を打っても6%成長に到底

届かないほど厳しい経済状態では、と想像している。

 

 

インタビュー内容の抜粋は以下。(日経電子版3/4より。全文は検索されたい)

 

――18年12月の講演で「非常に重要な機関が18年のGDP成長率は1.67%かマイナスと内部試算した」と発言しましたが、本当ですか。

 

「たしかにこの機関の研究員はこうした仕事をした。彼ら自身の方法で試算しており、彼らも発表していないので、私も誰だか言ってない。講演で引用したのは、彼らの試算が正しいと認めたわけでも受け入れたわけでもない。私は各種のルートから18年の中国経済の下押し圧力が大きかったと言いたかった」

 

「企業利益、住民の可処分所得、工業生産などから逆算するとGDP成長率はかなり低い。一部の人は(貸し出しの伸び、電力使用量、鉄道貨物輸送量から算出する)『李克強(リー・クォーチャン)指数』から成長率を推計しており、彼らは18年の成長率は政府発表ほど高くないと考えている」

 

「もし18年のGDP成長率6.6%が正しければ、これほど多くの景気刺激策を打ち出す必要がないはずだ。世界のどこがこれほど大きいのにまだ6%以上成長しているだろうか。あわてて金融政策、財政政策をこんなに緩める必要などない。唯一の解釈は我々の経済成長率はそれほど高くないということだ」

 

――地方政府の債務問題をどうみますか。

 

「厳しく悩ましい問題だ。実は多くの地方政府はすでに金融的、技術的には破産状態にある。もちろん政府は破産できないが。中央経済工作会議でも地方のインフラ債券の増発を決めたので、地方政府はどんどん借金漬けになるだろう」

 

――1月の講演で(資産価格が急落する臨界点を意味する)「ミンスキー・モーメント」に言及しました。19年に到来する可能性はありますか。

 

「可能性は大きくないが、例えば1つの市場で局所的に起きる可能性はある。去年の株式市場も投資家がみな自信をなくすなどあてはまる」

 

――最大の市場である不動産はどうですか。

 

「不動産市場は非常に危険だ。もちろん我々は緩慢に平穏に調整することを望んでいるが、目標が達成できるかどうかは政策次第だ。ある日に投資家の先行き見通しが変われば、不動産市場にミンスキー・モーメントが訪れるかもしれない。皆が不動産を売りたくて、誰も買わない状況だ」