統計詐欺、日本ではなく中国の話。
中国の統計は、申し訳ないが信用できない。以前当コラムでも指摘した通りだ。参照されたい。(2019年03月09日 - 中国の本当のGDP成長率は1.67%?!)
ただ、今回は国家統計局が自ら修正した。毎月公表の「固定資産投資」(前掲画)。成長率が6%⇒+0.6%、と大幅な修正だ。
今、世界の成長エンジン、中国の投資は、ほぼ伸びが止まっているのだ!
6%増とほぼ0成長では、全く世界が異なる。とんでもない修正だ。
従って上図の通り、水増しされてきた投資統計とGDP統計上の投資額
との間に乖離が生まれ、それが拡大してきたことを示している。
3/9のコラムでは、中国GDPが6%超成長との公表値に対し
1.67%しか成長してないとの中国経済学者の意見を掲載したが、
奇しくもその内容と今回の投資の修正幅は結構整合的な印象だ。
それにしても、当局の対応の姿勢の変化にも驚くものがある。
中国が自ら認めるとは。ごまかし切れない、と当局も諦めたのか。
ただ正直、修正後の数値も信じてよいのか分からないが。
これで、中国はGDP6%超の成長をどう達成するつもりか。
疑念は深まるばかりだ。
今度はGDP統計をごまかすのか、あるいは
今年の目標の6~6.5%を引下げるのか。
この修正が正しいとすれば、
中国経済が6%超の成長をしていないことだけは確かだ。
投資が0%成長で消費も低迷している。3/9のコラム通り、
マイナス成長、景気後退に向かうほどのひどさだ。
だから中国は、債務拡大に拍車を掛ける景気対策を嫌々
実施せざるを得ないのだろう。
将来に大きな禍根を残すであろうことを承知の上で。