IMF(国際通貨基金)のリサーチ(金融安定性報告書)を
英Financial Timesで知り(10日発表)、
「わが意を得たり」と膝を叩いた。
同報告のこのグラフがズバリ、来るべき債務危機の本質
を端的に表している。分かり易い!
経済主体で誰が多くの債務を負っているか、を
前回金融危機時との比較で、世界規模で示したものだ。
(画:対GDP比の債務比率グラフ、
・主体別 ~ 上から企業、国家、銀行、他金融。
・時点 ~薄青:金融危機時、青:2018/10、濃紺:2019/4)
前回痛んだ銀行部門等は債務を増やしていない一方、
企業部門の債務が大きく増加していることが分かる。
国家部門の財政の悪化も気になる。
IMFは特に、米中で脆弱性が顕著、と指摘している。
その通り!
以前から当コラムでも指摘してきたが、
長引く低金利を利用し安易な調達を続け借金漬け
となった米等の企業が、もし今後景気後退となれば、
信用収縮の中で大打撃を受けることになる。
米では企業が借りた金を事業に使わず、自社株買いに回し
自分の株を異常なまでに買い上げる・・・。
自分でバブルを膨らませる米企業。
また、国家の借金はトランプがせっせと増やしている。
中国の不動産や設備への投資過剰も再三指摘してきた。
企業だけでなく地方の自治体の財政も相当に傷んでいると聞く。
市場がもし下落トレンドに転じたら、破壊的な影響となることは
避けられまい。
当コラムでも指摘してきた私の当初からの懸念に対し、
IMFのリサーチが有力なエビデンスを提供しサポート
してくれているようで、嬉しい☺
自身の見方は的外れではない、と少し自信を深めた。