EUについて、非常に厳しい見方をしているのが、フランス人の人口学者エマニュエル・トッド氏だ(左写真)。2016年にトランプの大統領選勝利を予告、的中させた彼は「EUは崩壊する」と明言している。(NHK TV)
同氏はEUを監獄に例え、看守がドイツ、囚人が他の全ての国々、としている。ユーロ安の恩恵は製造業の強い独にしかなく、他国は財政規律を守るため公共投資も十分にできず、緊縮財政、低成長経済しかなく、不満が鬱積しているとのこと。
さらに、年始の10大予測の発表で有名なイアン・ブレマー氏も、EUは政治的に不安定で、分裂の火種が多く存在すると指摘している(日経4/18)。ロシア、中国、アフリカからの影響を挙げている。EU各国同士、また国内もまとまらない。
米欧の資本主義陣営に亀裂を生じさせようと、ロシアがEU各国でポピュリスト政党を後押ししていると指摘。
また、EUにとって中国は、今や米以上に経済でつながりが強いともいわれ、貿易戦争でも米との関係を重視してばかりいられない点も問題だとしている。
さらに移民受入れ問題でも、アフリカからの大量の移民を最初に受け入れる南欧諸国と、他のEU諸国の負担の差が、移民反対を掲げる南欧ポピュリスト政党を勢いづかせているとのことだ。
EUの問題は、経済的にも政治的にも容易に収拾がつかない状況だ。
「ドイツ以外はみなEUから出たがっている(トッド氏)」。
出たいのは英だけではないようだ。