オフィス空室率、史上最低更新中だ。
三鬼商事発表の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)
4月の空室率は1.70%、前月比ー0.08%。
月次データの残る2002年1月以来の最低を更新した。
三鬼商事の空室率は、新築/既存、と2系列に分けて発表される。
私が注目するのは、既存物件の空室率だ。
(確か築1年を超えると、新築→既存、に分類が変わる。)
新築、は足元の短期の供給に左右されやすい。
既存ビル空室率は、1.66%、前月比ー0.08%。
空室率は、数値としては物理的に2%強程度が下限ではないかと思っていた。
普通に探せば、オフィスの空きはどんなに探しても全く見つからない状態だ。
この水準まで下がるとは全く想像していなかった。
人手不足による優良オフィスへの移転需要、立地改善の動きが
大きな後押しとなっている。
前回2007年の不動産プチバブル時は、2.49%まで下落したが、
その水準をはるかに超えて低下している。
この統計上ではいったいどこまで下がることが物理的に可能なのか。
空室率は一般に、企業業績の遅行指数で、かつ
賃料指数には先行する。
つまり、まだ賃料に上昇余地はあり、逆に今後企業業績が悪化すれば、
徐々に空室率もボトムアウトする可能性もある。
業績のマイナス要因と人手不足の構造的プラス要因、
今後は、この両者のせめぎ合いの時代に入る。
私は、今後多少業績が悪化しても、構造要因が根強く影響し、
空室率は大きく上昇しないのでは、とみている。
Jリートの堅調な業績は、まだ続く可能性が高いと想定する。
マーケット、こんな時には、Jリート。