Jリートの世界でも初の合意なきM&A、
敵対的M&A事例が発表された。
スターアジアがさくら総合の投資口を3.6%保有し
M&Aを仕掛けている。さてどう決着するか。
背景には多過ぎる新規上場(IPO)、がある。
Jリート、近年も新規上場の件数が多い。
東証、証券会社がIPOを促す。
ただ、中小リートは投資口価格が純資産割れ、
つまり純資産(NAV)倍率1倍割れとなると
増資もしづらくなり、外部成長して規模を拡大
できなくなり、隘路に陥るケースが多い。
リーマン前にも同様の状況があり、多過ぎる中小リートの
整理統合のため、合併の法制度が整備された経緯がある。
市況安定が長く続くと、Jリート市場ではIPOラッシュが繰り返される。
IPOは儲かるので証券会社が煽ることがまず問題だが、
上場基準を監督する東証のスタンスに問題があると思う。
有象無象(失礼)も上場させ、成長できなくなったらM&Aで
統合させればいい、ということでよいのだろうか。
安易な新規上場は低迷リートの増加を生み、市場の活性化にはマイナスだ。
東証はガバナンスを利かせてほしい。
ちなみに私はFM時代、IPOで訪問してきた新リートの経営者に面と向かって
「御社、上場を取り消したら?」と、何度も!言ったことがある。本当だ。
非力な会社は上場しないでほしい、迷惑の一言だ。市場にとって邪魔だ。
厳しい言い方だが、海外投資家から見てもJリート市場の評価を下げる事象だと思う。
有力でないリート同士の合併は、あまり大きく評価されることは
期待しづらいが、今後中小各社が再編を重ね、ダメリートが減ってほしい。
なお、投資家の皆さんにご注意いただきたい点がある。
高利回りだと言って、スポンサー等に信用力の乏しい
中小型銘柄に手を出すのは、気を付けられたい。
NAV倍率が1倍を大きく割り込む銘柄たちだ。
このように被買収される場合、買収条件によっては、
買い叩かれ投資主が不利な扱いを受ける(損をする)こともあり得る。
中小銘柄に投資する際は、気を付けてほしい。