ここからの市場の見通しを考える上で、
米利下げ確率(市場の利下げ織り込み度)と
実際のFRBの金融政策に対する姿勢、との差は重要だ。
5月初に米株が高値を付けたのも、この点が
主因だとみている。
市場が当時過度に(6~7割)利下げを期待した一方、
FRBは利下げを検討していないとの議長のコメントで、
過大な期待が剥げて株価は下落した。
トランプは利下げせよと吠えるが、パウエル議長は今の所
利下げ要求までは受け入れない姿勢を保っている。
しかし経済の動き方次第では、今後FRBの方針転換の
可能性はあり、また、市場は利下げを催促している。
貿易戦争も影響し世界経済は徐々に悪化し、年下期に
すぐ回復などできない、と私はみているが、
FRBが金融緩和へ向け本格的に舵を切れば、株価は維持できる。
中国と戦わねばならないトランプは、当然それを狙っている。
だから何度も吠える。
最近、特に米市場は”うわずっている”と私は感じている。
期待が過度に(余計に)盛り上がりやすい状況なのだろう。
皆カネ余りで株を買うしかなく、低格付け企業まで
”借金して自社株買い” というクレージーな財テクに
酔っぱらっている。
これらのマインドや現象は、やはり景気拡大期終盤に
見られがちな傾向、とみている。
空前の低失業率で雇用も物価も安定している最中、FRBはすぐに
利下げにまで踏み込めるのか。
直近、8割近い利下げの織り込みには、違和感を禁じ得ない。
期待が剥げれば、株価に影響する。
まあでも、米に実際に利下げ余地があるため、
投資家には下げても戻るとの期待があり、
トランプも外交で強行姿勢に出ることができる。
利下げ余地の無い日本と対照的だ。