世界の基軸通貨、ドルの権威が
徐々にではあるが失われている。
世界のドル決済シェアはこの4年程度で
約45%→40%弱まで低下した。
ロシア、イラン、北朝鮮のような
米から制裁を受けている諸国は
ドル決済ができなくなるため、
可能な限り非ドル化を進める。
さらに今後は中国が、制裁対象国ではない
ものの、非ドル化を強めることは
容易に想像可能だ。
米債を売り、資金決済でもドル依存度を
引き下げる方向に一層舵を切るであろう。
アメリカは、債務国だ。株メンターの為替の授業を
聞いた方、思い出してください。
本来は、市場がリスクオフに傾いたら、ドルは
売られるはずなのだ。
それが逆に買われるのは、世界の資金決済において断トツの
シェアを誇り、世界の基軸通貨として君臨しているからだ。
世界の多くの国々が、ドルが無いと困るからだ。
しかし、もしドルが基軸通貨としての役割を果たさなくなったら
どうなるか?
ドルの代わりにシェアを上げたユーロ、しかし私は
ユーロの将来には悲観的だ。EU崩壊のリスクはある。
中国元は一党独裁・社会主義国家の通貨で、世界の基軸通貨に
なる資格は当然ない。円も全くの力不足だ。
ドルの代わりが務まる通貨は今、存在しないので、
ドルが世界の基軸通貨の地位を奪われることはすぐにはないだろう。
だがトランプの強硬策が逆に米国の弱体化を招いている
点は、通貨の場合も同様だ。
今後気を付けるべきは、いつか来るであろう、米国債の格下げだ。
米景気が悪化したら、格付け機関からの警告には要注意だ。
ドルの信認に影響するであろう。