GDP統計を見るとき、間違いやすい項目が2つある。
1つは純輸出。輸出入の差だ。
輸出が増えても、輸入がさらに増えれば、純輸出はマイナス。
輸出が減っても、輸入がさらに大きく減れば、純輸出はプラス。
今回はこのパターンで純輸出が増え、GDP全体を押し上げた。
もう1つは在庫投資。
在庫の積み上がりのことだ。
つまり売れ残りが増えると投資増にカウントされる。
在庫は企業が意図して増やす場合もあるが、通常、
見通し通りに売れずに売れ残り、積み上がるので増加はマイナス。
誤解しないよう、知っておこう。
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さて、今回1-3月期のGDPは+0.5%増、
年率換算すれば+2.1%だが、たかが0.5%、
純輸出のイレギュラーな数値で振れただけだ。
注目すべきは、異常な輸入の減少だ。
リーマン以来の大きな減少率だそうだ。
輸入には原油等、燃料が大きく影響するので
原油価格の影響を受けやすく、
確かに昨年比で平均で油価は1割程度低い。
さらに今年は全国的には暖冬気味だったとは思う。
が、それにしても、ひどい。内需が全体に弱く原材料輸入
全体に影響しているのだろう。
また、表の名目値の列を見てほしい。
名目値が実感の値だ。
輸出がー3.5%、輸入はー8.0%だ。
近年では見たことの無い異常な減り方だ。
いかに貿易摩擦が景気、交易、そしてマインドに悪影響を
与えているかが如実に現れている。
さらに、内需主力項目、全体の6割の消費、2割の投資は
共にマイナスだ。これでは実質的にマイナス成長に等しい。
激しい悪化、急悪化、と言ってよい。
これで対中関税4弾、残り全品でも
米が追加関税をかけたら、
米中経済には大打撃だが、その前に
日本がノックアウトされてしまう。
危険なのは、米中の前に日本だ。
風前の灯火のプラス成長が、即大幅なマイナス成長、
景気後退へと陥るのは目に見えている。
また、安倍首相は、税制改革については
とにかく相性が悪い、間が悪い。
この時期に消費税を上げて、第4弾も発動されたら、
日本はそれこそリーマン級の大不況だ。