中国の米国債売りが止まらない。
当コラムで数回指摘しているが、対米摩擦の、中国側の重要な交渉カードだ。
(2019年02月16日 - 中国、本気?
2019年01月28日 - 米国債を売り始めた中国)
左のグラフでは、やはり昨秋の米中摩擦本格化と同時に大きく売り越しに転じ、摩擦激化の3月も売り越し幅が増加していることが分かる。
この傾向が5月以降も続く可能性は十分ある。
幸い米国債市場にはこの中国売りの目立った影響は出ていないようだが、ここに、真っ向からぶつかる中国の本気度が窺える。
米は、関税を無力化させようと中国が考える元安誘導を阻止すべく対策を打ってくる(通貨操作国の認定等)ことが考えられるが、そうなると対抗策として中国は米国債売りを加速するかもしれない。
足元の米債券価格の上昇(金利の低下)、つまり
米株から米債券への投資資金の流れ=”質への逃避”は、
中国に絶好の米債利食い売りのチャンスを与えていることになる。
もし中国が、米債利食い売りを意図して対米強硬姿勢に
出ているとしたら、恐ろしい。