ECB(欧州中央銀行)マリオ=ドラギ総裁、今秋退任を前に
マーケットにインパクトを与える仕事をしてくれた。
インフレ率が目標に届かなければ金融緩和を近々にも実施すると発言、
ECBも金融引締めを止めたばかりだったので、
FOMC目前でFRBばかりを注目していた市場関係者を驚かせた。
FOMC直前に、世界の金融市場を一気にリスクオンに一変させた。
米FRBに対し直前で先手を打つこのタイミングはセンス抜群だ。
中央銀行は、他の中銀の政策変更タイミングを非常に気にする。
日銀政策決定会合も米FOMCの直後などの日程がよくある。
他の中央銀行に政策が劣後すると、例えば為替等に大きな影響が出かねないからだ。
先日もFOMCを前に豪やロシアの利下げがあったばかりだ。
トランプが、この発言の直後に、不公平だと文句をつけた(笑)。
FRBより先に通貨を安く誘導するとはけしからん、とでも言いたげだ。
彼は、世界の金融市場は自分が動かしている、という
強い自負があるようだ。
だから、しゃくにさわったのだろう。
すぐさま、米市場オープンと同時に米中協議の可能性を明らかにした。
俺の材料の方がすごいだろ、とでも言いたげだ(笑)。
でも、ということは、彼が大統領をしている間は、
株価を下げないようなりふり構わず行動する、と
考えておくのが基本なのかもしれない。
それにしても、彼はプライベートではスマホばかりいじっているのでは?
マーケットをチラチラ見て、なんかあれば即座にツイートして(笑)。
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ドラギ総裁の市場とのコミュニケーションについては、
以前からインパクトを与える発言が印象的だった。上手だ。
いつも非常に毅然とした態度や言葉であり、まさに中銀総裁らしい。
スーパーマリオ、今秋退任が、本当に惜しまれる。
(画:見つけてしまいました!ドラギ総裁、失礼 笑)