中国は経常収支の黒字国、そして債権国だ。
通貨の強さを考えるとき、これは最も重要な要素。
日本が世界最大の債権国なのは累積対外黒字の成果であり、
だから、有事の円高、が起こり、日本国債が買われる。
もし逆に債務国なら、有事には資本流出、通貨安に見舞われかねない。
昨日の日経で中国の収支が悪化したが
理由が不明確、と特集されていた。
何が原因か。
近年旅行収支がマイナスに影響しているのは分かり易い。
恐らく、記事にもあるが資本規制の厳しい中国政府の目をかいくぐり、
様々な方法で中国人が資金を海外に持ち出しているためであろう。
財産権が保証されていない社会主義国、やはり
資本流出が起きてしまう。
政府に突然財産を没収されかねない国の悲哀だ。
中国人が日本や海外の不動産を買いたがるのもそのためだ。
中国政府も当然警戒しているが、止められない。
IMF(国際通貨基金)は2022年には中国が経常赤字になると予測しているとのこと。
経常収支が赤字化するとなれば、元相場の安定に大きく影響する一大事だ。
中国からは、人もカネも海外へ流出してゆく。
中国にとって頭の痛い重要な課題だ。