NTTの不動産戦略、重要だ。
個別銘柄の話だが、不動産業界全体、Jリート業界にも
深く関わる話なのでコラムで取り上げる。
NTTグループは主要都市に優良オフィス等を多く保有する。
正確な全容は分からないが。
また地域の電話局、変電所他の施設も保有する。
先日日経に記事があったが、1500本のオフィスビル、
7000の電話局を保有するそうだ。数十兆円はあるだろう。
JRと並び、日本最大の不動産オーナーではないか。
この不動産を活かすべくNTT都市開発を上場させた訳だが、
今年1月、NTTグループがTOBで同社を上場廃止にし、
今後は自前の不動産運用を展開するとのことだった。
NTT都市開発はプレミア投資法人のスポンサーだったが、
TOB後NTTの対リートの方針も注目されていた。
NTT都市開発の対リートの具体方針は把握していないが、
リートの資産運用会社の持株構成が変化したとの発表はあった。
NTT都市開発は55.1→70%へ、残り30%はケネディクスだ。
ホルダーが2社に集約された。
リートの得意なケネディクスの力を借りて、プレミアに
前向きな変化が起きるかどうか。
ただ、NTTグループ本体が優良不動産をリートに売る気があるか、
が、相変わらず最大のポイントとなろう。
20年近い付き合いから察するに、NTTの不動産自体は
もの凄いが、グループ内には不動産人材が無く、戦略が他社の後追いで
十分に不動産を活かし切れて来なかった、という印象だ。
NTT社長の号令が末端まで届き、リートにも良い変化が起こるかどうか。
記事によれば、不動産事業売上を今後6年かけ4000→6000億円にする
とのこと。グループ連結売上は12兆円だから、利益貢献も少額かもしれない。
まずは人材育成・ヘッドハンド、が重要なのではないか。
6年で関連投資を1兆円~使う、とあるが、そんなに使うのなら
不動産を買うのでなく、まず人を買えばよい。
人とその人の縁、で不動産は動く。チームを丸ごと買えばいい。
その方が投資効率がはるかに高い。1500本のオフィスビル、なら
世界のどんなチームでも買えるだろう。
私なら、NTT社長に、そう進言する。