今まで金融の基本として、
米金利が下がれば世界の株は上がる、
米金利低下で新興国へも資金が行き渡る、と解説してきた。
ところが、元7ドル超えのショックと共に新興国リスクが現れ始めた。
米金利が大きく低下しているのに、だ。
「通商摩擦から貿易戦争へ」
三菱内田氏の言葉(モーニングサテライト)だが、
米中衝突は、第2ステージ入りしたかもしれない。
貿易問題→デジタル覇権争い→通貨戦争、で
経済の停滞だけでなく、
リスク回避、ハイリスク資産からの資金の引き揚げが
生じる事態になっている。
貿易戦争への深刻化で、8月から金融の世界で異変が起き始めた印象だ。
「金利が大きく下落したのでリスク資産へ資金が流れる」のでなく、
『低金利下でもリスク資産へ資金が流れず、逆に引き揚げ』の動き
となっている。
米中対立が深刻化し、投資の世界でもリスク回避が優先され、
株や新興国資産が売られ、債券に資金が逃げ、金利が下がる。
金利は下がるが、それはリスク回避の結果だ、ということだ。
金融市場的には大きな転機の可能性がある。
利下げがすべてのリスクを跳ね返せなくなる可能性も出てきている。
このタイミングに合わせて、
金高値更新、
Jリート高値更新。
鏡となる逆指標も、ちゃんと同時に動いている。
大事な動き、要注目だ。