1日で一国の株価指数が38%も動くのは滅多に見られない。
アルゼンチンメルバル指数、12日、大暴落。
1987年の米ブラックマンデーでは、1日で20%下落した。
その2倍の下落率だ。1日で半値になるかという勢いだ。驚異的な暴落だ。
大統領選挙の予備選で野党のフェルナンデス元首相が躍進した
ことが理由。同氏は国際通貨基金(IMF)からの多額の支援協定に
否定的で、また利下げ推進派とのこと。通貨防衛が必要な時期に
真逆の政策を志向する候補なので、株・通貨が暴落した。
トルコ、エルドアン大統領を彷彿とさせる。
アルゼンチンは、新興国市場の変調の目印だ。
今月に入り元の下落から始まって、新興国市場に不安定な動きが
現れ始めていたが、ついに一発目が火を噴いた。
世界の金融・経済には直接大きな打撃とはならないと思うが、
リスクの目印となる市場が動き出した、という印象だ。
しかも大暴落、という劇的な形で。
通貨アルゼンチンペソも20%以上の大幅下落。
その後通貨防衛に当局が動いた。
米金利低下で堅調だった新興国市場が、
米中摩擦が通貨問題に発展したことで、一転荒れ始めた。
米金利の低下は、新興国市場には好ましい状況のはずだったが、
それでも暴落した。
危険な兆候だ。値幅の大きさ、値動きの激しさ、も危険だ。
これから、これに近いことが頻発するかもしれない。