香港が荒れている。デモが収束しない。
香港経済に重大な影響が及ぶのは必至の様相だ。
シンガポールと並ぶアジアの金融のハブの地位を
香港はこれで失うのではないか。
指摘した通り、香港の不動産バブルが、これで弾けるだろう。
地価とは、その土地の人気を数値化したものだ。
今となっては、だれが香港にオフィスを構える気になろうか。
一方習近平は、気が気ではないはずだ。
もしかしたら、米中摩擦のアメリカよりも、香港を
不安視し懸念しているかもしれない。
中国は、歴史的に、民衆蜂起で政権の転覆が繰り返されてきた国だ。
中国のトップが最も恐れるのは、民衆蜂起だ。民衆一揆・暴動だ。
だから、天安門事件も起きた。
チュニジア、エジプトなどのアフリカの民主化運動「アラブの春」では、
Webの力で民衆が蜂起し、政権は実際に転覆した。
中国はいざとなれば香港に対する強権弾圧も辞さないと思うが、
Web時代の今は、そうなると、中国全土に蜂起の芽が
バラまかれ、押さえが効かなくなる可能性もあると思う。
対日感情が中国で時折問題になることがあったが、
あれは共産党が、国民の内政の不満を他国に転嫁するための手段
でもあった。それほど中国・共産党は下からの反体制運動を恐れる。
歴史の教訓があるからだ。
今回の香港について、習近平はどう収束させるか。
いずれにせよ、彼と党が最も恐れる事態が、中国外で起きてしまった。
落し所を見つけにくい問題だ。
このような事態を、真のカントリーリスク、というのだろう。
本来金融商品にはこのようなリスクに対するプレミアム
が最初から上乗せされていなければならない。
香港の不動産は上がり過ぎた。
翻って日本がいかに、カントリーリスクが小さいか、がよく分かる。
いかに日本が魅力ある投資先か、安心・安全にいかに価値があるか。
香港のアジアでの地位は危うい。
相対的に日本のアジアでの復権が、進むのかもしれない。
日本株、実は安いんじゃないの?(笑)