さくらリートがスターアジアに敵対的買収を仕掛けられ、投資法人みらいがホワイトナイトとして後に登場した本件、議決権行使助言会社 ISS 社による投資主総会の議案に関する推奨判断は、どちらとのM&Aにも「反対」、とのことだ。
なんだそれ?
当コラムでこの問題は再三指摘してきた。
2019年06月09日 - 再び強く反対!スターアジア敵対的M&A
2019年07月05日 - Jリート敵対的M&Aに三井物産登場
スターアジア案は後出しジャンケン、卑怯な提案だ。
いくらでさくらを買うか、合併比率が事前に正式に決まってない。これがまかり通れば、今後このような、合併比率も事前に決めない卑怯な敵対的MAが横行することになる。業界のため、絶対に許してはならない。
一方みらい案に対しISS 社のレポートは、低いプレミアムと NAV の希薄化という点において、さくらの投資主に条件が不利益だと主張している。
合併比率が若干ディスカウントだと、合併自体ではさくらの投資主はやや損をするが、その後合併リートへの成長の期待、また三井物産というスポンサーの安心感に由来する投資口価格上昇への期待を勘案すれば、大した問題ではないと思う。被合併の側は、多少ディスカウントされることもあるのは致し方ない。合併リートがその後コスト削減、資産整理を経て健全に成長できるかが、MAの成功、またJリート業界にとって、大切なのだ。
多少条件がディスカウントになろうとも、M&Aによる業界の健全な再編淘汰、マイナーリートの整理が進み、機関投資家も参戦できる時価総額1000億円以上の健全なリートに集約されてゆけば、それは大いにウエルカムだ。再編は進めるべきだ。
業界のモラルを壊す不健全な行為に断固反対する。
投資主の皆さん、スターアジア案には、賛成しないで欲しいです。
みらい案なら、当初条件がやや不利でも長期保有すれば妙味があると思います。
利回りも高いし。
以上、投資主の皆さんにお伝え申し上げます。
明日の両社の投資主総会、よろしくお願いします。
以上、Jリート業界 元ご意見番より。
(※本日コラム2本目。明日は休みとします)