インド、経済の悪化ペースが速い。
以前、7月自動車新車販売が前年比ー30%だったとお伝えした。
異常な急減速だ。
スズキがトヨタと資本提携したが、インド消費に大きく依存するスズキが経済の先行きを悲観したこともあるのではないか。スズキは今までインドで大きく成長してきた。
昨日発表されたインドの実質GDP成長率は今年1-3月5.8%、4-6月は5.0%まで急減した。インド政府が7月4日に公表した19年度の実質成長率見通しは7%だ。計画と実績が全く異なる。(計画は前出の画の通り)
インドはモディ政権の経済運営が好調で、昨年は8%近いGDP高成長を遂げてきたが、これだけの急ブレーキは懸念される。
インドは経常赤字の国だ。製造業等輸出産業が未だ不十分な一方、人口は世界2位だ。経済が活況になると、内需を国内だけで賄えない。経常収支が赤字になってしまうのだ。
米の引き起こした貿易摩擦が、高成長を遂げてきたインドにもこれだけ急激に影響するものか。
新興国危機の際、要注意の国は、経常収支が赤字で、かつ外貨準備不足の国。
インドは実はこの2つの条件に該当する。
トルコ、ブラジルが該当する要注意国、としてきたが、
さらにインドを加えなければならなくなるかもしれない。
インドの通貨、ルピーにはまだその兆候は出ていないようだが、
懸念材料が増えた感だ。