“理路整然と、間違える”
ごく簡単に言えば「今、上期業績が悪いから売」のようなことだ。
「業績悪=売」と決めつけている。
しかし、業績悪はとっくに織り込まれている。
株価は半年以上先を見て動く。
・・・FMの頃、多くのリサーチの専門家と議論した。
企業アナリスト、経済エコノミスト、投資戦略ストラテジスト、等々。
彼らは論理的に、ロジックに齟齬が無いように説明し、見通しを説明する。
良く調査し良く知っている。専門分野は知識豊富だ。上手く話す。
だが、経済見通し、推奨銘柄を間違える。ホント、よく間違える(笑)。
詳しいのだが、また間違える。
理路整然と間違えるのだ(笑)。
なぜそうなるのか。
彼らは、論理に沿って考え他人に説明しなければ説得力を持たないので、理論、過去のパターン、法則、模範的な見方、など固定的な見方、判断の仕方に依拠し過ぎているからだろう。こうなるはずだ、今までこうだった、こうなるべきだ、と考え(決めつけ)論を進めるからだろう。現実は必ずしも理論通りにはならないのに。
もう1つは、自分の見方、論理的な考察のパターンが出来上がると、自分の作り上げたその方法に固執し硬直的になり、他の考え方を受け入れられないからだろう。専門家ほど、柔軟性に欠けることが多い。間違えても直せない。
いくら知識豊富でも、それだけでは当たるようにはならない。
理路整然と間違える人は、知識が多いため、却ってその多さが自分への過信を産み、柔軟な判断の邪魔をすることもある。
リサーチ専門家は、時に理論から離れる、ことができない。
だが時に理屈・常識を捨てることを市場は求めて来る。
理路整然、だけではだめだ。
頭でっかちでなく、感じる、センスを磨く。
そして柔軟に対応できることが運用では大切だ。