以前当コラムで、米低格付け債が大量発行されていて、その上乗せ金利にクレジットリスクの程度が現れることを紹介した。
昨年12月の株価下落時にはスプレッドが急上昇し、一時は買い手不在で債券発行市場が機能停止した(左図)。
最近は、特に株価急落等のリスクが無いにもかかわらず、世界的に見て、そのスプレッドが拡大傾向のようだ(前図)。世界中で低格付け企業が調子に乗って必要もない資金を社債発行で集めていることを、多くの投資家が懸念し始めている。
今まで大量に発行されたのだから、当然大量償還時代が続く(左下図)。株価急落などが起これば、たちまち低格付け企業は資金繰りに窮する。
株価堅調、バブルがさらに今後も膨らみそうな中、危機の芽は着実に積み上がっている。
FRBも警戒しているこの企業債務の問題を今後も注視したい。