2020年、中国の抱えるリスクは、米中や香港・台湾などの外交問題のみならず、国内経済でも注視すべき問題がある。
まずは債務問題。中国の地方政府に関係する債務が膨張している。(前図)
日経の推定では地方政府の隠れ債務が650兆円もあるという。簡単には処理しきれそうにない。
前回リーマンショック時には国営4大銀行が不良債権を抱えたが、政府が丸ごと他機関へ付け替えて整理した。いわゆる”飛ばし”でごまかした。
今回は、こんな規模に対して”飛ばし”が通用するのか?
続いて気になるのが物価の問題だ。
景気減速下にも関わらず消費者物価が上昇している。豚コレラの影響で豚肉が2倍に跳ね上がっているそうだ。(左図)
景気低迷下での物価上昇、つまりスタグフレーションだ。
中国の景気減速は不可避だ。GDP6%成長はもう維持できない。
ならば何としても物価上昇は避けねばならない。
スタグフレーションは、株価には本当に最悪だ。暴落する。
金利が上昇し業績が悪化するのだから。
習近平は、大きな外交問題を抱えた中、このような2つの経済のリスクを何としても回避したいはずだ。
よって、年始の金融緩和も理解できるし、また必要に応じて財政政策もさらに打ってくるだろう。
市場はそう見ているので、株価は下がらない。