· 

「財政悪化型」スタグフレーションの可能性

スタグフレーションとは、

「stagnation(停滞)」と「inflation(インフレーション)」の合成語で、

経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が併存する状態(Wikipedia)。

不況なのに物価・金利は上がるため株価や不動産は激落する、非常に恐ろしい事態だ。

 

数十年、人類が経験しなかったスタグフレーションに陥る可能性が、見えてきている。

 

 

ちなみに、

インフレーションは「景気過熱+物価上昇」。

株や不動産は上昇し得る。

 

デフレーションは「景気停滞+物価下落」。

需要の急減で経済規模が減少。

 

今回は経済封鎖で潜在的に需要はあるのだが需要活動がフリーズさせられている。

一方で、企業の生産休止で供給体制もストップする。

食品や生活必需品も一部生産に影響が出よう。

一部品目がモノ不足で値段が上がり得る。現に中国が今この状態だ。

2020年02月12日 - スタグフレーション?肺炎インフレ

このコラムを見て欲しい。

 

スタグフレーションは、上記の「供給ショック型」に加え、もう1つ、ある。

「財政悪化型」だ。

景気後退で巨額財政出動に迫られ、中央銀行が大量発行された国債を引き取るしかなくなった時。(いわゆる財政ファイナンスの状態)

 

債券は大量発行され債券価格下落=金利上昇となる。いわゆる悪い金利上昇が物価上昇をも引き起こす。また中央銀行に対する信認も低下し通貨も下落すれば、輸入物価の上昇も発生する。金融市場ではトリプル安が起こる。通貨安・債券安・株安だ。

 

コロナショックが長期化すれば、それが最終的にもたらす危機とは、「財政悪化型」スタグフレーションかもしれない。

 

日本でも米でも欧でもあり得るだろうが、もしかすると世界最大の債務国の米で、生じやすいのではないか。

 

コロナ経済封鎖の期間次第だ。

短期終息を願うトランプ大統領の気持ちは痛いほどわかる。

 

日本の薬が、世界を救ってくれまいか。