”企業・銀行はあと3か月もつのか?”
世界経済封鎖に対する切迫感を、皆さんはどう感じているか。
これが私の切迫感だ。左図は日経の主要企業100社経営者インタビューの通りだ。最大手でも3割超の企業がこのままなら3か月内に事業継続に不安、と答えた。資金繰りに不安、ということだろう。
3月に、こんな話を聞いた。
「世界の航空会社(エアライン)は、このまま同じ状態(ほぼ全便欠航)なら、5月までに全社破たんするかもしれない。」
一瞬ぎょっとしたが、そうかも、とも思った。我が国の2社は邦銀の協力を仰ぎ、大丈夫そうだが。
エアラインは、機材・人件費と非常に固定費負担が大きく
キャッシュが潤沢な会社は少ない。
売上0の異常事態では資金繰りが本当に一気にひっ迫する。
KLM、ルフトハンザなど、パイロット・乗務員の解雇に
即座に動かざるを得なかった。日本の2社でも一時帰休の動きがある。
さらに日経に面白い試算も掲載されていた(前図)。
表は世界の大企業3400社について日経が
売上減と手元資金の枯渇具合を期間ごとにまとめたものだ。
・・・日経の認識とは異なり、資金繰りの問題には
全然時間の余裕はない、との認識を株メンターは持っている。
あと3か月も今の売上消滅、の事態がもし続いたら、
資金繰りで大量の企業が破たんするだろう。
前表では、6か月後以降など不要だと思う。そんなにもつわけがない。
世界のトップ企業の1割もが、売上で資金回収できなければ
3か月で資金繰りでアウトとなるのだ。
問題は銀行だ。
銀行は先が見えず貸せない。CPの枠を確保した優良企業以外は
怖くて借換えに応じられないだろう。
血相を変えて殺到するすべての中小企業を助けられるはずもない。
この借換えに応じない銀行の姿勢がさらに破たんを激増させるのだ。
銀行も先の見通せない企業には貸せない。自身も危ないと思っているから。
だが誰にも先が見通せるはずない・・・。
この銀行の態度が、最終的に自分の首を絞める。
世界のトップ企業の1割が寿命3か月なのだ。
それ以前にどれほど多くの企業で資金が枯渇するか。破たんに追い込まれるか。
一般に上場企業でキャッシュの準備は売上の1か月程度だ。
中小企業は当然それ以下だろう。
近年は多少準備額が多くなっていたとしても、大企業でも
3か月分以上持つ企業は少ない。
なにせ、キャッシュを多く積んでおくと投資家から
「現金を持つ位なら株主還元に使え」とうるさく指摘されるのだから。
つまり大事なことは、一般企業だけでなく
資金繰りを支える銀行がもたない、ということだ。
「全企業が資金繰りに窮するのだから、皆が殺到する銀行が当然破たんに追い込まれる」
という重大事態を見過ごしている。
地場の中小企業とつながる地銀・信金等は、もう切迫しているのではないか。
国が丸抱え(国有化)すると、最後は国の信用が破たんする。
企業の破たん激増は銀行の不良債権の激増だ。
近年の銀行の財務体質は健全、などと悠長なことを言っている場合ではない。
現状の完全な経済封鎖がこのまま続けば、世界経済は1か月はもっても
3か月はもたない、と私は考える。
今の米株は、勝手にもう感染拡大は終了、とみている。
今回のウィルスは厄介だ、と昨日指摘した。
もしもあと3か月、もしずっとこのままなら、
市場が、経済が、そして社会が、生活が、復元できないほど破壊される。
世界大恐慌の時のように。
危機が本当に、目の前にある。
封鎖・自粛は1か月で安全に解除できるか。再封鎖はないか。
・・・これが心配し過ぎであって欲しい。