Bloombergによると、ノルウェーは政府系ファンド(SWF)から
3820億クローナ(約4兆円)を引き出す計画とのこと。
世界最大のソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)が
過去にない規模で株式を売却するということだ。(図)
通常ならこのような非常時には、SWFは最後の買い手として
市場を支える機能を発揮するものだ。
ところが、コロナと原油相場急落という二重の危機により、
西欧最大の原油輸出(北海原油)で潤う世界有数の高所得国ノルウェーでさえも
苦境に陥っているであろうことが浮き彫りになった。
背に腹は代えられぬということか。
国の財政の厳しさか、あるいは、市場の長期的見通しの変更か。
約105兆円の運用残高のうち、株式は75兆円と全体の7割。
残りは債券が28兆円、不動産が2兆8000億円。
保有株式を国別で見ると、日本株は5.9%、6.2兆円。
米国株(27.8%)、英国株(6.1%)に次いで大きい(数値:日経記事より)。
試算で売却4兆円のうち日本株を同上比率の約6%、と仮定すると
2400億円。
超巨大なインパクトとは言えないものの、ショックだ。
SDGsなどにも積極的に取り組む姿勢を初期から明確にし、
長期安定投資家としても世界の模範的な存在で、
四季報の株主欄に「ノルウェー政府」とあれば
その銘柄は安心、とさえ感じていた。
しかし、今後は正反対に売りを浴びる可能性があるので避けねばならない。
コロナは、こんな所でも従来の認識をひっくり返す。