延期されていた全人代、22日開催された。
コロナ後の景気刺激を期待できる内容かと
思われたが、期待外れだった。
当初+6%成長を目標にしていたGDPは、足元マイナス成長。李国強首相は、毎年恒例のGDP目標を示すことが出来なかった。
今年の全人代、開催するのがやっとだ。
また、香港の自治を実質認めない(反政府行動を
中国の法律によって禁止する措置)法案も通した。
台湾での独立機運にも猛反発、を表明。
一国二制度、が完全に崩壊する。
アジアの金融ハブ、香港がこれで終わる。
以前指摘した通りだ。
経済成長の勢いで求心力を保ってきた中国にとっては、
それを失わせるコロナ禍を乗り越えるために、
感染抑制に遅れた中国指導部に対する反発を全土的に抑える
必要があり、香港・台湾問題はどうしても見過ごせない
「目の上のたんこぶ」だったに違いない。
ただ、 アメリカはこの対応に本当に激怒する可能性が高い。
米中に致命的な亀裂を生む事態となるのではないか。
米ポンペオ長官は、
「きちんと確立された香港の立法手続きを回避し、香港の人々の意思を無視するこの決定は、中英連合声明の下で中国政府が香港に約束した高度な自治に終わりを告げるものとなるだろう」「米国はこうした破滅的な提案を再考するよう中国に強く促す」と主張(bloombergより)。
また、この米の怒りは、大統領が仮にバイデンとなっても変わらない。
共和・民主とも対中強硬路線では一致している。
中国金融当局が、相当な緊張感をもって備えていることが、人民元市場に表れている。
昨夏の米中摩擦の最も緊張した時以来の安値まで元安を誘導している。(前図)
コロナに大きく影響を受けた今回の全人代は、今後の米中関係大幅悪化、そして
中国の国家不安定化の契機となる、歴史に残る全人代、となるかもしれない。
コロナが中国を、習近平を追い込んだようにも感じる。
習主席、どうも(運気を)持ってない。
独裁を目指すが、時代に阻まれている。
今後は元相場と上海株指数に注目だ。