アルゼンチン、今どんな経済状況かご存じだろうか。
経済は苦境のただ中だ。
4-6月期GDP成長率は前年比2桁のマイナスが想定され
消費者物価指数(CPI)を見ると前年比42.8%。通貨ペソは暴落中。
実は国が利払いに応じられず、国債はデフォルト(債務不履行)中だ。
債権団との交渉は難航、9回も失敗し、今般4日にようやく合意したそうだ。(bloomberg)
そんな国の株価指数、アルゼンチンメルバル指数は、目下なんと史上最高値を更新中。(図)昨年夏には、1日で38%も大暴落したと当コラムで紹介した。
2019年08月14日 - アルゼンチン株、ー38%の大暴落
国家の信用が破綻している一方で、株価が最高値更新。
どういうこと??
これぞバブル。これこそバブル。
買い手はアルゼンチン人ではない。国内にそんな余裕はない。
世界的な超金融緩和の仕業だ。余りまくるマネーの受け皿として
金融機関が新興国投信等を設定、ハイリスクなのに運用難から
巨額の資金が集まり、そんな海外資金が小さな新興国市場の株価を押し上げる。
日本の地銀なども大挙してこんな投信に群がったようだ。
最高値の半分に沈む日本から見れば、なんか羨ましいくらいの異常さだ。
「バブルメルバル。」
世界の中央銀行による異常な金融緩和の歪みが、ここに表れている。
株価は、必ずしも経済の成長をそのまま反映するものではない、
ということをよく覚えておこう。
経済の実態以上に、金融の力に左右されてしまう。
さらに、極限まで歪むのか。