株で勝つには、会社を調べることに加え、
もう1つすることがある。
株価の割安感を評価することだ。
銘柄選択とは、会社を選ぶこと、だけではない。
株価を判断することだ。
良い会社でも、上がり過ぎれば売り。
会社を選ぶことだけ、考えていないだろうか。
株価が安いか高いかを評価することが、勝つ株式投資の基本だ。
その意味で、株価評価(バリュエーション)は極めて重要。
バリュエーション指標の最も典型的なものは、PERだ。
株価収益率。株価が利益の~倍かを示す数値。
PERは、銘柄によって、業績の成長力によって、高さが決まる。
利益成長力の高い銘柄なら、割高なPERも市場に許容される。
だがPERのあるべき水準を決める要因は、業績だけではない。
金利が大きな影響を及ぼす。
PERは益回りの逆数。
- PER=株価/利益
- 益回り=1/PER(PERの逆数)=利益/株価
この益回りは、市中の金利といつも比較される。
益回りを金利が相当程度上回っていれば、利回り比較で株への投資魅力が
上回り、債券から株へ資金が流れるのだ。
だから金利が下がれば、その分益回りが低下しても、つまり
PERが高くなっても、株に資金が来る可能性はある。
金利0時代だと、益回りがわずかに+であればよい。
言い換えれば、相当な高PERも市場に許容され得る。
金利2%のとき、PERは20倍まで許容されるとしよう。
この時益回りは1/20=5%、株のリスクプレミアムを3%とする。
(益回り=金利+リスクプレミアム)
もし金利が0%になったら、
益回り=0+3=3%、PERはその逆数の33倍(100/3)まで許容される。
今、米実質金利はー1%だ。金利ー1%で考えると
益回り=-1+3=2%、PERはその逆数の50倍(100/2)まで許容される。
・・・金利が0%に近づくと、PERは大きくストレッチすることが
理論上可能となる。
これがPERで割高でも株価が下がらない理由。
こうして、バブルは正当化される。