FRBの7月FOMC議事要旨が明らかとなった。
強力で異常な現在の金融緩和政策は維持するが、今後のさらなる
追加緩和には消極姿勢と受け止められ、市場で一旦金利上昇、株安となった。
ただ、今後の更なる追加緩和とは、何か。YCCなどが候補のようだが。(表;JPM資料にはYCCの文字はないが含意されている)
YCC=イールドカーブコントロール、つまり国債の過剰発行で
需給が緩み債券市場の価格下落=金利上昇が、10年債等で起こる懸念があるので、
それをFRBが買い取ることで強引に金利上昇を止めようとするオペレーションだ。
ずばり財政ファイナンスだが、もう現在すでに事実上その状態になっている。
パウエル議長は3/23に「なんでもやる」と宣言し、信用緩和にまで踏み切った。
中央銀行が、破綻しそうな企業やファンドまで、そのリスクを個別に
評価せず直接丸ごと救済している状態だ。民間銀行なら、絶対にしない、できない。
中央銀行の信認、つまりドルの信認と引き換えに禁じ手を実施している恐ろしい状態だ。
「なんでもやる」は、発券銀行の中央銀行が本来絶対に言ってはいけないセリフだ。
いくらでもプリントマネーする、と聞こえる。
今後これ以上、市場にインパクトを与える金融政策が追加的に残っているとは思えない。
FRBは、想定外の難局(医療崩壊・大規模自然災害他)に見舞われたら、どうするのか。
パウエル議長が「やれることはすべてやる」と3/23に言った裏には、「緊急利下げも効かなかったので、やれることはここでやり尽くします。でもだから、これ以上は無理です。」というニュアンスが込められているように感じる。
立場上、追加策がもう無いとは言えないだけではないのか?