注目のジャクソンホールでの講演で、FRBパウエル議長は将来の物価目標を”2%”→「平均2%」へと再定義した。大きな違いだ。
つまり、金融政策としては、物価が2%に届いたら緩和を止めるのではなく、2%を越えてもある程度の期間は緩和し続ける、との方針ということだ。
今FRBの政策金利見通しは、2022年でもFOMCメンバーの15名(全17名中)が0%据え置きを想定している。この見通しは2023年は示されていないが、政策金利0%の時代をさらに長期化させるFRBの意向だと受け取ることができる。
金利が0%近傍で長く続き、実質金利が物価上昇率(PCEデフレータ:足元年0.9%程度)上昇による実質金利の一段の低下が起これば、経済実態とかけ離れたバブル的な株価上昇が続く公算が高い。つまり、PERの水準が大きく上がるということだ。市場平均で15倍付近だったPERが30~40倍にもなる可能性がある。
PER15倍=益回り6.7%
PER30倍=益回り3.3%
PER40倍=益回り2.5%
株のリスクプレミアムを4%程度とみても、実質金利がー1%で
さらに低下もありうる現状ではPER40倍付近は無理ではない、と
理屈付けできてしまう。
さらにバブルは長期化し肥大する可能性が出てきた。
この先は、足元顕在化していないリスク要因とのバランス次第だ。
コロナ再発、トランプ再選失敗、新興国、他。
やはり、相場の振れが大きくなりそうだ。