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恐ろしい中国デジタル化戦略

日本でデジタル庁の創設など、超遅れているデジタル化の

国家戦略が前へ進もうとしている。

当然必要なことだが、

情報が全てデジタル化され国家等で一元管理されるようになると、

管理する側に情報だけでなく権力までもが集中することになる。

 

国家による国民情報のデジタル化は公的サービスの向上に不可欠で、

是非進めてほしいが、一方で非常に大きなリスクも抱えることになる。

 

セキュリティの問題だ。必ず、ハッキングの対象になる。

安全なデジタル技術の活用には、暗号技術が欠かせない。

 

暗号技術の最先端を狙う中国の戦略は、日本などのはるか先を見据えている。

デジタル化で一元管理された国民の個人情報は、ハッカーには格好の攻撃対象だ。

デジタル化で重要情報が1点に集中して管理できるようになるため、

攻撃する側は1点を集中攻撃すればよい。

攻撃力が強固なら、世界の個人情報、機密情報も一手に集めることが可能になる。

世界のデジタル覇権を握ることができる、ということだ。

 

コロナで否応なく進展するデジタル化、の困った側面だ。

もし将来日本人の個人情報を一元的に把握したデジタル庁が、

中国のハッカーに暗号を突破されて情報にアクセスされてしまったら?

 

習近平は、共産党はこのアプローチで世界を牛耳ることを狙っている。

最先端の量子暗号で世界トップの量の論文が中国から発表されている。(図)

 

21世紀はデータの世紀。

デジタル化の勝者の地位は、データセキュリティ技術の勝者が握ることになる。

 

 

時代に合わせた中国共産党の行動は、極めて戦略的だ。

デジタル覇権が世界覇権とイコールになる時代だ。

それだけに、独裁国家中国のデジタル戦略は恐ろしい。

 

デジタル人民元の開発も急ピッチで進んでいるようだ。

ドルの代わりに世界の基軸通貨の地位を狙うのは

財産権を認めていない社会主義国の通貨では不可能だと思うが、

中国は全世界を見ていない。

西側諸国と袂を分かっても、中国を中心とする経済圏で

利用可能なら構わないのだろう。

それだけでも軽く20億人以上の使う通貨たりうるのだから。

 

改革開放から内循環へ。

鄧小平時代から、毛沢東の独裁時代に逆戻りの習近平。

米と対峙し、いずれ身内で何でも完結させる考え、とみる。

 

西側諸国はこの中国の動きを止めることは難しい。

欧米中心に、全体として対抗できるパワーをつけるしか方法はないか。