先週、米株はコロナ禍によるリスクオフから大きく下落したが、
一方で米10年債金利はリスク回避で債券買い=金利低下、ではなく
逆に上昇を続けている(図)。
従来と、明らかに異なる市場の反応だ。
従来から指摘している通り、民主党バイデン勝利を織込む動きとみられる。
民主党勝利なら、インフラ整備だけでなく、保険制度などに巨額の財政出費が
トランプ時代以上に見込まれるためだ。
「悪い金利上昇」が現実化しつつある。
景気が良くないのに、債券需給の悪化によって、金利が上昇してしまう状態だ。
金利が物価に跳ね返ると
「物価上昇+景気悪化」=つまり、スタグフレーション、株価には最悪だ。
FRBは、財政ファイナンスで日銀同様債券買いに向かい金利上昇を抑えにかかる
と思うが、そうなれば、ドル需給は緩みドル安がさらに進みやすくなる。
以前指摘した、トリプル安シナリオだ。
2020年10月26日 - 米「悪い金利上昇」?! ②トリプル安
厳しい時代への重要な転機となる現象だ。
再三指摘するが、それほど大切なことだ。
米長期金利よりも世界の金融市場にとって重要な指標は無い。