今年3月、崩壊寸前の米社債市場、MBS(不動産担保証券)市場等を救ったのが、FRBの信用緩和。例の3/23のパウエル議長の「なんでもやる」だ。
この政策は多くの社債・MBSなどをまとめて救うための資金枠を用意するという政策で、モラル上も問題がある。しかしもし3月に実施されていなければ、社債市場、MBS市場の崩壊を通じ株式市場も大暴落していたであろう。Jリート市場の3/19の大暴落も、崩壊直前まで追い込まれた米MBS市場の影響があったと私はみている(MBSファンド急落の補填資金のための換金売りでJリートも暴落)。
だが、この政策はトランプ政権により年内で打ち切られることが決まっている。(前図)
ムニューシン財務長官が制度の延長を認めず、FRBに未使用の資金を返還するよう要請したためだ。FRBは財務省に延長を求めていたが、認められなかったとのこと(日経)。
年明けの米金融市場、またJリート市場への影響はないのか。
社債の起債がリーマン前から4倍以上に膨れ上がっているのは以前伝えたが、米MBS市場が超巨大なことをご案内だろうか。(上図)
1000兆円以上、つまり日本のGDP500兆円の約2倍、米GDP2000兆円の半分に迫る規模なのだ。米国債市場の約半分程度の規模でもある。(上図:日経)
イエレン新財務長官が、就任後即座に打ち切られた支援の復活をしてくれることを期待したい。