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バリュー株の復権? TOPIXが主導

遂に、重かったTOPIXに火が付き始めた。

平成バブル崩壊後の高値、2018年の1911ポイントをドカンと抜けた(前図)。別世界へ突入?バブルはさらに膨張する勢いだ。世界の中で割安な日本株へさらに資金流入もありうる。

 

 

1月末にそれまでの市場の柱、半導体株やエムスリー、成長株が日本で調整入りし、米でもGAFAMが好決算にも拘らず上値が重い状況を見て、これは「節分天井」で米も市場全体が一旦調整入りか、とみていた。実際GAFAMは上値が重い。

 

ところが、市場全体は違った。

大ローテーションが起き、代わりに眠っていたディープバリュー株が目を覚ました・・・

 

先週末から、成長株の影で長らく無視されボロボロに売られていた、重厚長大系の製造業や、金融・建設等のバリュー株、そしてコロナの影響が最も深刻だった空運・鉄道・アパレルなどが、一斉に反発を始めた。(上図:JAL2年)

グロースからバリューへの物色循環の大規模なシフト、の可能性もある。

 

これらディープバリュー銘柄の全体的な上昇には大量な資金が必要になるが、今はその点は全く問題がない。投資資金は世界中にいくらでも待ち構えている。

 

このシフトの背景は、ズバリ金利だ。

米長期金利の上昇により、成長株のハイバリュエーションが説明しづらくなっている。

AmazonのPERは約100倍だ。成長株は金利上昇に弱い。

 

そして、米経済対策に加え足元のコロナ禍への我が国の対応力も関係していると感じている。

 

今回の緊急事態宣言で正直私は、真冬にこんな程度の行動制限で効果は出るはずないと思っていたが、感染者は日本各地で足元明確な減少傾向になっている。

これは、皆がマスクをし高いモラルを持って行動する日本では、仮にワクチンが無くともこの程度の宣言を出せば今後とも感染拡大を止めることが出来そうだ、ということだ。

東京など世界一ともいわれる人口密度を考えれば、政府からの「お願い」だけで真冬に感染拡大を抑制できているのは、海外から見ればまさに奇跡だろう。

日本人の私でも今の状況はちょっと信じられない(笑)。

日本社会の同調圧力は、物凄い。外国人には、日本社会のこの点は理解不能だろう。

 

・・えーっと、つまり、

今の感染減少が、コロナ後の景気回復に対する自信を持たせているので(ワクチンが少し遅れても平気)、景気敏感な製造業、またコロナで厳しかった業種へと資金を向かわせている、ということだ。

 

このバリュー株の急騰は、一時的なリバウンドで終わるか、あるいは年単位の変化か。

コロナ禍の収束の程度も影響しよう。

あるいは、数か月単位でグロース優位、バリュー優位が繰り返す、ローテーション相場となるのか。

 

ただ、ディープバリュー株の放置は余りにも長かったので、

ボロ安い銘柄が東証1部にも大量に存在することは確かだ。

破綻寸前じゃないか?と言わんばかりの株価だ。

潰れない会社なら、これらの水準訂正もあってしかるべき、とは思う。

 

バリュー株の本格復権、なるか。